建設業許可が必要な工事と不要な工事とは?

ケーススタディ: 山田さんのリフォーム計画と建設業許可の要否

山田さん宅で行う以下の工事を例に建設業許可の要否を検討します。

山田さんのリフォームプロジェクト

  • キッチンの全面改装
  • バスルームの増設
  • 庭のフェンスの設置
  • 家の外壁の塗装

キッチンの全面改装

白いシステムキッチンと食べ物


シンクやコンロの設置、配管工事などが含まれます。このような工事は建設業法に基づき、「管工事」に該当するため、工事の請負金額が500万円(税込)以上の場合は建設業許可が必要となります。
配管に関する工事を含まない場合、「とび・土工工事」に含まれることとなります。
工事の内容により許可の種類が変わるため注意が必要です。

バスルームの増設

海外のシャワールーム

新たにバスルームを増設する場合、壁の設置や配管工事が必要です。このような工事も「管工事」に該当するため、工事の請負金額が500万円(税込)以上の場合は建設業許可が必要となります。
配管に関する工事を含まない場合、「とび・土工工事」に含まれることとなります。
ユニットバス設置工事の場合、主たる内容は、ユニットの据付け工事となるため「とび・土工工事」に含まれるそうです。
工事の内容により許可の種類が変わるため注意が必要です。

庭のフェンスの設置

民家と木々と白いフェンス

庭にフェンスを設置する場合、その工事が「造園工事」に該当し、工事の請負金額が500万円(税込)以上の場合は建設業許可が必要です。小規模なフェンスの設置であれば許可は不要です。

家の外壁の塗装

細長いタイルの外壁

外壁の塗装工事は、「塗装工事」に該当し、工事の請負金額が500万円(税込)以上の場合は建設業許可が必要です。しかし、個人の住宅の外壁塗装で、工事の請負金額が500万円(税込)未満であれば通常は許可は不要です。

建設業許可が不要な工事とは?

不要か、必要か分別ルートのイラスト

すべての建設業の工事において許可が必要ではなく、軽微な建設工事に該当する工事を行う場合には許可が不要とされています。
軽微な建設工事は以下のものを指しています

建築一式工事以外の建設工事1件の請負代金が500万円未満の工事(消費税込)
建築一式工事で右のいずれかに該当するもの(1) 1件の請負代金が1,500万円未満の工事(消費税込)
(2) 請負代金の額にかかわらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事
(木造住宅とは、主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)
引用:建設業許可 手引、申請書類等 | 東京都都市整備局 (tokyo.lg.jp)

請負代金の考え方

建築一式工事以外の建設工事1件の請負代金が500万円未満(税込)の場合、建設業許可は不要とされています。
では1件500万円を超える請負代金であった場合、契約を500万円未満の契約2つに分けた場合、建設業許可は不要になるでしょうか。
一つの工事を2つの契約に分けただけですので、各契約の請負代金の額の合計額が500万円を超えるのか超えないのかが基準になると考えられます。
それでは注文者より材料の提供があった場合、その金額は請負代金の合計金額の対象からは外すことができるかについてですが、こちらは含まれません。
材料の市場価格または材料の市場価格と運送費を請負代金の額を加えたものが請負代金の金額となります。
なお海外での工事に関しては建設業法は適用されません。

注意点

契約金額だけで請負代金を判断することは危険であると考えられます。
建築一式工事以外の建設工事であれば条件となる金額を超えないこと、複数の契約でもあっても一つの工事である場合にはその総額が条件となる金額を超えないこと、注文者より材料の提供があった場合その材料の価格や運送費が請負代金に足されても条件となる金額を超えないことに注意が必要であるといえます。

なおこの記事は東京都都市整備局の手引きを元に作成しており、地域や年度によっては内容が異なる場合がございますのでご注意ください。
建設業許可が必要な工事かどうかは、工事の内容や規模(工事の請負金額および延べ面積)によって異なるため、具体的な工事計画を元に詳細に確認することが重要です。

注意: この記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、正確性や最新性を保証するものではありません。具体的なケースについては、専門家にご相談ください。

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