6つの営業所の要件について解説します

そもそも営業所とは?

作業場所を上から見た写真

営業所とは、建設業における請負契約の締結に関わる実務業務(見積り、入札、契約締結など)を行う事務所のことを指します。
ただし、単なる登記上の本店や建設業とは無関係な支店、事務作業のみを行う事務所、工事現場の事務所などは営業所には該当しません。
なお他の営業所に対し請負契約に関する指導監督を行う等、建設業に係る営業に実質的に関与する事務所であれば、営業所に該当します。

営業所として認められるためには、少なくとも以下の要件を満たす必要があります

6つの要件

  1. 来客対応および業務実施の場所
  2. 明確な区分けとスペース確保
  3. 管理責任者の常勤
  4. 専任技術者の常勤
  5. 事務所の使用権の保有
  6. 外部からの識別可能性

1.来客対応および業務実施の場所

外部からの来客を受け入れ、請負契約の見積もり、入札、契約締結など実務業務を行うことができる環境が整っていること。

2.明確な区分けとスペース確保

電話、机、事務台帳などが完備され、他の法人や個人事業主の事務室とは明確に区切られたスペースであること。
本社と同じフロアにある場合は、区切りがなくても他の営業所との明確な区別ができるよう看板などで示すこと。
個人の住宅にある場合には居住部分と適切に区別されているなど独立性が保たれていること。

3.管理責任者の常勤

常勤役員(経営業務の管理責任者)または建設業法の規定に基づく使用人(令3条の使用人)が常勤していること。

4.専任技術者の常勤

専任の技術者が常勤していること。

5.事務所の使用権の保有

営業用事務所として使用する権利を有していること(自己所有の建物または賃貸借契約によるもの)。

6.外部からの識別可能性

看板や標識などを通じて、外部から営業所であることが明確に分かる表示がされていること。

まとめ

営業所の設置に際しては、これらの要件を満たすことが求められ、申請書の提出後にも実際にこれらの条件を満たしているかが調査されることがあります。テレワークを活用する場合でも、営業所の要件は変わらず、常勤役員や専任技術者が業務を遂行できる環境が整っていることが重要です。

建設業界における営業所は、請負契約の実務を担う重要な拠点であり、これらの要件を満たすことで法的な地位を得ることができます。