【相談事例】建設業者が外国人を雇うとき、まず確認すべき2つの許可

【相談事例】建設業者が外国人を雇うとき、まず確認すべき2つの許可

「外国人の若い人を雇って現場で働いてもらいたいんだけど、ビザってどうなってるの?」
「うちは建設業許可はあるけど、外国人を雇うときに何か特別な手続きが必要なのか分からない…」

最近、こういったご相談を建設会社様からよくいただきます。
建設業界では深刻な人手不足が続いており、外国人の雇用はすでに一般的になりつつあります。しかし、法的なルールを知らずに雇ってしまうと、「不法就労助長罪」や「在留資格の取り消し」など重大なリスクにつながる可能性もあります。

本記事では、建設業者が外国人を雇用する際に必ず最初に確認すべき2つの「許可」について、実際の相談事例を交えて分かりやすく解説します。


1. 建設業許可の有無を確認しよう(雇用する前に!)

外国人を建設現場で働かせる場合、そもそも「建設業許可」が必要な工事をしているかどうかを確認しましょう。

■ なぜ建設業許可が関係するのか?

外国人が働くための在留資格(ビザ)では、「受け入れ企業の信頼性」や「安定性」も審査対象となります。
無許可で建設工事を請け負っている会社では、「適切な雇用環境を整えていない」と判断され、ビザの許可が下りない可能性があります。

また、特定技能や技能実習など、一部の制度では「許可業者であること」が前提条件です。

■ よくある誤解とリスク

  • 「500万円未満だから許可はいらないと思っていた」
  • 「元請けじゃないし、大丈夫だろう」

→ 実際には「元請けとして500万円を超える工事をしていた」「複数の小規模工事が合算されていた」など、知らない間に許可が必要な工事を行っていたという事例も多くあります。


2. 外国人本人の在留資格(ビザ)と職種のマッチングが必要

外国人を雇う際には、その人が持っている在留資格が、会社で想定している仕事内容と合っているかを確認することが最重要です。

■ よく使われる在留資格と現場との関係

在留資格主な職務現場作業
技術・人文知識・国際業務施工管理、設計、CADオペレーター、事務✕ 原則不可
特定技能(1号)建設分野建設現場での労務(型枠、内装、電気設備など)○ 可
技能実習(建設系)建設分野での技能習得△ 原則可。ただし実習内容限定

注意:「技・人・国」ビザで入社した外国人が現場で作業していると、不法就労に該当する場合があります。

■ 実際にあった相談事例

A社様(電気工事業)では、ベトナム人スタッフをCADオペレーターとして採用しました。しかし現場が人手不足になり、そのスタッフを配線工事に回してしまったところ、入管調査が入り、在留資格との不一致が問題となりました。
結果、本人はビザ更新不可となり帰国。会社側は再発防止命令を受けました。


✓ 外国人雇用のための基本チェックリスト

以下のような確認を、採用前に行いましょう:

  1. 【会社側】
    • 建設業許可は取得済みか?
    • 法令違反歴(過去の指導・行政処分)はないか?
  2. 【外国人側】
    • 現在の在留資格は何か?(在留カードで確認)
    • 希望する業務がビザの範囲内か?
  3. 【制度面】
    • 特定技能・技能実習の場合、受入要件を満たしているか?
    • 監理団体・登録支援機関との契約は整っているか?

📌 雇用までの流れ(イメージ)

Information
  1. 現場で必要な人材の職種・業務を明確化
  2. 建設業許可の有無・要否を確認
  3. 外国人候補者のビザ種別を確認
  4. 必要に応じてビザ申請・変更
  5. 入社・雇用開始(各種契約書整備)

まとめ:雇う前に「許可」と「資格」のダブルチェックを

外国人を雇用する際には、

  • 会社として「建設業許可」があるか
  • 外国人の「在留資格」が仕事内容と合っているか

この2つをまず確認しましょう。

このチェックを怠ると、不法就労や入管からの調査、最悪の場合は外国人本人の退去・会社の行政処分に発展する可能性があります。


💬 お困りの際はご相談ください

行政書士ITO事務所では、建設業許可と外国人の在留資格申請の両方に対応しています。

  • 「特定技能の申請って難しいの?」
  • 「うちの工事に許可が必要か判断してほしい」
  • 「現場で働かせたいけど、どのビザが適切かわからない」

など、初回のご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。