「許可がなくても外国人を雇えると思ってました」では済まされない
―知らなかったではすまされない入管法のリスク―
はじめに:よくある誤解が、重大な違反に
外国人雇用について、企業のご担当者様や現場の責任者の方から
「ビザを持ってるなら働けると思ってました」
「許可がいるなんて知らなかった」
というお声をいただくことがあります。
しかし、これは入管法違反につながる非常に危険な思い込みです。企業が知らずに不法就労を助長してしまった場合、処罰の対象になる可能性もあります。
この記事では、よくある誤解とそのリスク、適法に外国人を雇うためのポイントをご紹介いたします。
ビザがある=働ける、は誤解です
まず押さえておきたいのが、「在留カード(ビザ)を持っている=どんな仕事でもできる」というわけではない、ということです。
例:就労できない在留資格の代表例
- 「留学」:アルバイトは条件付きで可能。
- 「短期滞在」:観光目的のため、就労は一切不可 など
一方、「特定技能」「技術・人文知識・国際業務」「技能実習」などの在留資格は就労が可能ですが、それぞれ働ける業務の範囲や企業の受入体制に条件があります。
例えば、「特定技能(建設)」の外国人を採用するには、事前に受入企業としての登録や協議会への加入、支援体制の整備が必要になります。
知らずに雇った結果…企業側にも罰則が
「本人がビザを持っていたから安心した」と言っても、在留資格に適さない業務に就かせた場合、それは罪に問われる可能性があります。
外国人を適法に雇用するためのチェックポイント
以下は、企業が外国人を雇用する際に必ず確認すべき事項です。
✅ 在留資格とその内容を確認
- 就労可能な在留資格か?
- どのような業務で働けるのか?(例:技人国ならホワイトカラー業務に限られる)
- 在留期限はいつまでか?
✅ 雇用条件との整合性
- 業務内容や勤務地が在留資格に合致しているか?
- 雇用形態(正社員・契約社員・派遣など)に問題はないか?
✅ 必要な申請・手続きを済ませているか
- 特定技能の受入に必要な申請は完了しているか?
- 登録支援機関との連携や外部監査の体制は整っているか?
「知らなかった」を防ぐために
外国人雇用においては、企業側の法令意識が問われる時代になっています。
現場任せにせず、採用・労務担当者が制度を正しく理解し、社内で共有することが重要です。
また、少しでも不明点や不安がある場合は、早めに専門家に相談することで、リスクを未然に防ぐことができます。
おわりに:早めの確認と相談が安心につながります
外国人の雇用は、制度を理解し、適切に対応すれば企業にとって大きな戦力となります。一方で、ルールを知らずに雇用してしまうことで、企業・外国人双方に不利益が生じることもあります。
「うちは大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、ぜひ一度ご相談ください。